現在、身長500mに巨大化した私は、
夜の街にたたずんでいる。
ビルは、まるでコンクリートとタイルで造られた木立ちのように、私の足の周囲を取り囲んでいる。
少し前の出来事を思い出している。
あぁ・・・あれは本当だったのかしら? ねぇ、誰か嘘だと言って。
街を焼いてしまった、戦闘ヘリコプター部隊を全滅させた。私のスーパーパワーで。
何処をどう走ったのか覚えていない。多くの建物を踏み潰したみたい、蹴躓いて地下街を踏み抜いたような気もする。きっと街は大被害ね。
気がつけば、私は知らない場所に来ていた。 あぁ・・・後ろを見るのが怖い。めり込んだ道路と破壊されたビルが見えるに違いないのだから。
あーん、街を燃やしちゃったよー。
どーすんのよ、正義のセーラー戦士の面目丸つぶれよ、
あ、あ、いったいどうしたらいいの!
違う、違うの、この私が破壊などする訳がない。
だって、私はセーラー戦士、正義の味方。私はいつだって正しくて、大きくて美しくて、心優しいの。
巨大な私は夜の街に立つ。 戦いの決意をこの胸に秘めて。
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