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《 催眠GTS 曜子 》 中編
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数十メートルもの深さのある海を歩き、私は進む。あぁん、気持ちいいわ。青い夏の空、輝く太陽、世界の全てが私を祝福してくれてる。 とっても気持ちよくってハイな気分。今の私は何でもできる。
巨人になるって本当に素晴らしい!!
着ていた服は私の肉体の巨大化に耐えられず破け散ってしまったの。でも肌着は私といっしょに巨大化している。スウィーツみたいな薄ピンク色の、お気に入りのブラとパンティなの。ぴったりとフィットしてる。破れなくてよかったわ。トカゲさん達が気を使ってくれたのかな?
ふふ、身長160メートルの可愛い下着姿の女の子が出現したら、みんなどんな反応をするのかな、楽しみ、楽しみ。 空港はすぐ目の前ね。
空港島にサイレンの音が響いている。時報のサイレンなどではない。何かの警報みたい。 ふと空を見上げる。トカゲ宇宙人の巨大な円盤が見える。地上から数百メートル上空。
あ、そうなのね。あんな変なモノが空に浮いていたら飛行機は危険で離陸できない。突然の円盤出現に空港の管制が混乱し、それで警報を鳴らしていたのね。 この空港はテロや災害対策も万全だと聞いたことがあるわ。 まぁ、私にはどうでもいいことだけど。
「ふぎゃらばー オオ、ヤハリココハ空港ナノカ、初陣ガコノ場所トハ運命ダ」
何言ってるの? アンタが私をここに運んだんじゃない。
「ヤガテ宇宙ニ侵出スル悪イ地球人! ソレガ空ヘト飛翔スル拠点ハ、我ラニトッテ、最モ危険ナ地。 サア娘ヨ、悪イ空港ヲ完全ニ破壊スルノダ」
頭に響くトカゲ宇宙人の声に押されるかのように私は進む。もう海はそんなに深くない、私の膝までの深さ。それでも水深40メートルくらいなのかな。
「マテ、上陸スル前ニ、ヤル事ガアル。連中ノ逃ゲ道ヲ破壊スルノダ」
ふと右側を見ると、海上を空港から連絡橋がまっすぐに伸びている。海を埋め立てて造ったこの空港島から陸上にアクセスできる唯一の橋。長さ5,000メートルもある世界最長の橋だって聞いたコトがある。
「ふぎゃらばー コノ橋ヲ破壊スレバ、空港ハ陸上カラ完全ニ孤立スル。敵ノ退路ヲ塞グノガ殲滅戦ノ基本ダ。マズハ、コノ橋ヲ蹴リ倒シテシマエ! ソウスレバ、ソノ後ハ、ユックリト獲物ヲ玩ブ事ガデキルゾヨ」
・・・あの? トカゲさん・・・殲滅戦って何。「戦争は悪い」とか言ってたのに・・・もしかして宇宙で戦争してるのは人類じゃなくて、アンタ達じゃないの? 微妙な疑問が心に浮かぶ。 それでも私は言われた通りに、空港島を大きく迂回し橋の前に進む。
「あちゃー、これは本当にすごいわ〜」
私は感動する。はるかなる天空から見下ろす、その連絡橋のきめ細かな構造の美しさは予想以上のものだったの。
海の上をまっすぐに走る2段構造の高速道路。上は道路が6車線、無数の車と空港バスが見える。下部には複線の鉄道が走っている。おそらく電気・水道・電話などのライフラインの全てがこの橋を通って、巨大な空港島の運営を支えているのだろう。
しかし、長さ5,000メートルの連絡橋と言っても、今の私には数十メートル、幅30センチの細長いグレーの無力な構造物にしか見えない。高さは私の太ももの位置。その上を走る車は3〜4センチ、指先くらいの大きさ。本当に玩具。
私は自分が身長160メートルの巨人になった事を再確認し、満足する。
この空港は一日20万人もの乗客が利用しているらしい。橋の上の交通量もはんぱない。そこで大混乱が起きている。急停車につぐ急停車、無数の車と空港バスが止まって動けなくなっている。ひどい混乱状態。小指の爪サイズの運転手さんが私を見上げて右往左往している。 私はまだ何もしていないのに・・・。
耳をすます。こんなに小さい人々の声がはっきりと聞こえる。私を見て驚いているわ、誰もが恐怖に怯えている。超渋滞の中で。 あっはっは、超可笑しいー。 あ、動けない車を捨てて何十人もの小人達が逃げ出している。 あははは。
こんな玩具の橋は障害物にもならない。そのまま真っ直ぐに進む。橋の上をパニックが支配する。
大きな私の黒い影が橋を覆う。大股に進む、私の太ももが橋に接触する。ほんのかすかな抵抗。破壊の衝撃が大きなうねりとなって、連絡橋を揺らす。いくつもの車が、空中に弾き飛ばされて海に転げ落ちる。
「あ、あ、何これ、チョー気持ちイイ!」
絶望的なまでの快楽が全身を貫く。理性が吹っ飛ぶ。
それは甘く心地よい、経験した事がない破壊の快感・・・。
本来なら、小さいとはいえ自分と同じ人間にこんなヒドイ事をするなんて・・・、でもブレーキをかけるはずの良心とか理性とか恥じらいとかがちっとも感じられない。トカゲ宇宙人の言う通りに体も心も動いているみたい。
私の健康的で強く大きな太ももと、虚しい力比べをしながら、連絡橋がたわんでいく。下部を走る電車は運が良かったみたい、数十メートル手前で急停止している。あらら、なかなかやるわね、電車さん。
コンクリートの大きな塊が、深さ30メートルの海にドドドーンと落下する。アスファルトの道路が砕け散る。線路の鉄骨が跳ね飛び弾ける。 小人のオトコ達から見たら、きっと凄まじい光景なのね。
そのまま躊躇いもなく進行する私の足の圧力に耐えきれず、ついに橋が真っ二つに、ぶち切れる。 すっごーい、何年もかけて造った頑丈な橋なのに、ほとんど抵抗を感じない。やっぱり、すっごく強くなったのね、私は。
私のぶつかった橋の部分の100mくらいが連鎖的に崩れ落ちる。停止していた電車もその崩壊に巻き込まれて、水しぶきと共に海面に落ちる。ずぶずぶと青い海に沈んでいく。私は橋という無意味な障害物を突破する。
「オォ、ナカナカヤルナ、地球ノ娘ヨ!」
破壊の効果はてきめんに現れる。さっきまで空港に鳴り響いていたサイレンの音がぷつっと聞こえなくなる。空港のほとんどの場所で明かりが消えている。やはりこの橋が本土の発電所からの電力を運んでいたみたい。私の太ももが、空港の生命線をあっさり切断しちゃったのね。
「ふふ、曜子、やったね」私は自分の人生最大の直接的な行動に満足する。
「ナニィ、オ前ノ名前ハようこトイウノカ? ナント言ウ偶然ナノダ、
ようこトハ我々べるら星ノ言葉デ(伝説ノ破壊女神)ノ名前。むむむむ、ソウカ、ヤハリ、コレガ運命ナノカ・・・ふぎゃらばー」
トカゲさんが何か言っている。橋の無事だった部分は見逃してあげるわ。私は気にせず空港島に進む。
空港滑走路の上を移動している数機の飛行機が見える。離陸するつもりみたい。大切な玩具を空に逃がしてはたいへんよ。
目指す標的の空港島、私の巨大な体は大きな波を巻き起こす。コンクリートの海岸線を津波が襲う。私の足が生み出した大波に巻き込まれ、海岸に係留されていた小さなボートが転覆する。
頭の中に霧がかかったかのようにぼんやりしている。私ったら何をしているのかしら。何かとんでもないコトをしちゃってるみたい。あぁん・・・、とってもキモチがいいわ。
目についたのは岸壁に停泊している連絡フェリー船。近くの港にクルーズするみたい。私の姿を見て驚いたのか、急いで出航しようとしている。でも逆効果、動くものの方がかえって目立つわ。お船さん、逃げちゃダメよ。
今の私は大きいから動きも速い、すぐに船の真横に立つ。今まで何回かフェリーを見上げた事があったけど見下ろすのは初めてよ。本当に可愛い、抱きまくらサイズのフェリー船。甲板にはいくつもの車が乗せてある。
橋を破壊した時の快感を思い出す。自分の力がどれだけのものか試してみたい。船底に右手だけをまわし軽々と持ち上げる。すっごーい、数百人が乗船できる船なのに、何これ、羽毛の軽さね。
だがフェリー船を片手だけで持ち上げるのはさすがに無理があったらしい。船底の一部がバリッと裂ける。 バランスを崩す。海に船を落としてしまう。 豪快な水しぶきと共にフェリー船は転覆する。船体が真っ二つに割れて、ごぼごぼと沈んでいく。
「あらら、ゴメンナサイね〜 沈没しちゃったわ。もう、船、弱すぎ〜」
声を上げて笑う。気にしない、気にしない。私が悪いんじゃないわ、女の子に持ち上げられたくらいで壊れるような、弱い船を造った人が悪いの。
ついに私は空港に上陸する。美しい肌からしたたり落ちる水は、まるで滝のように地面を濡らし車を押し流す。消え失せたサイレンの音に変わって大勢の人々の悲鳴が大地にこだまする。
身長160メートル、ピンク色の下着姿のスーパーボディを惜しげもなくさらし、私は大地を踏みしめる。
なにこれ、超おもしろい! 私の踏んだ地面のコンクリート部分が、まるで薄いウエハースを敷きつめた大地であるかのようにサクサクと砕ける。微妙に心地よい感触。
割れたコンクリートの下からは土の地面が見える。女の子の足の裏の肌に踏まれ地面が砕けてめり込んでいく。私は素足なのに全然痛くない。
自分の超無敵の肉体を実感しながら空港中央部に進む。4000メートル滑走路が3本、グレーの管制塔、しゃれたデザインの空港ターミナルビル。飛行機の格納庫、ふふ、暴れがいがありそうな場所ね。
地響きを上げて大またに歩き出す。敷地面積6,000,000平方メートルもの広大な空港島、それでも100倍サイズの私から見れば長さ120m、幅50mくらいのやや大きめのサッカー場サイズ。
無造作に踏み出した足が駐車場に停めてあったバスを踏み潰す。足を上げるとバス2台がマンガのようにぺっしゃんこ。そこからアスファルトの地面に細かい亀裂が放射状に走っている。あっあ〜ん、やっちゃった、どうしよう。
私がどんなに注意して歩いても、必ず何かを踏み潰してしまう。もちろん私は注意するつもりなどないんだけど。ふふふ。そのまま駐車場に停めてあった車を生足で次々と無造作に踏み潰す。
空港の向こうでヘリコプターが一機、空へと飛翔し、そのまま凄い勢いで本土へと飛んで行く。あらら、逃がしちゃったわ・・・まぁ、ヘリの一機くらい気にしない。
空港島中央部に管制塔が見える。六角形のその塔は空港内の建物の中でも一際高くそびえ立っている。
驚いたことに管制塔には照明がついている。連絡橋の破壊で空港島全域が停電したのに、空港中枢部の管制塔は非常時の自家発電により、すぐに機能を回復したらしい。
指令塔のガラス窓では大勢の管制官らしき人が動いている。巨人の来襲という、全く予想しなかった突然の危機。おそらく空港の大勢の人々を逃がすために、むなしい努力をしているのだろう。
あぁん、自分が危険なのに他の人の心配をするなんて、
管制官さん、おっとこ前ね。ふふ、今は見逃してあげるわ。 私は管制塔を無視して通り過ぎる。
さて・・・殲滅戦は標的の逃げ場を無くすのが基本だったわね。飛行機が私の手の届かない空へと離陸できないようにしなければならないわ。そうすればこの空港は完全に私のもの。
滑走路で立ち往生している飛行機はプラモの玩具みたいであまりに可愛い。すぐには踏み潰さない。後でこの私が遊んであげるわね。誘導路に裸足の足跡を付けながら空港を縦横無尽に歩く。すぐに滑走路は完全にめり込み、ひび割れ、使い物にならなくなる。これでもう飛行機は逃げられない。
さて、空への逃げ道は塞いだわ、これで私がこの島の支配者ね。いや、女王様と言うべきかしら。私は周囲を見回す。ぐちゃぐちゃにめり込んだ滑走路。可愛い飛行機。地面を逃げ惑う小人のオトコ達。
「ふぎゃらばー、娘、イヤようこヨ。 オマエガ伝説ノ破壊女神ナラバ、ヤラネバナラナイ事ガアル。破壊女神ハ、トテモ慈悲深キ存在ナノダ」
・・・? 何を言ってるのトカゲさん。
「慈悲ノ心ヲ持ツ伝説ノ破壊女神ようこハ、小人達ヲ踏ミ潰ス前ニ、必ズ連中ノ最後ノ願イヲ叶エテヤッタノダ」
あぁん、頭の芯が痺れてる。暖かな快楽の炎が萌えている。
トカゲさんの言葉、意味がよくわかんないー。最後の願いって何??
「ふぎゃらばー ツライ決断ダガ、ヤラナクテハナラナイ。考エテモミヨ、コノ空港ノ人間ドモハ何ノ罪モ無イノニ、巨大女ニ踏ミ潰サレルノダ」
・・・ちょっと待ってよ、何の罪も無いって、どう言うこと! アンタが「地球人は悪い」って言うから、アンタが私を巨人にしたから暴れてんのよ!
「コノヨウナ非道ナ行為ハ、侵略者ノ我々べるら星人モ心ガ痛ム」
いや・・・何ぼそっと言ってるの!? アンタやっぱり侵略者だったの!
「破壊女神ようこヨ・・・オ前ハ本当ニ美シイ」
え・・・、いや、あの、そんな当然のコト言われても困るんだけど。
「モウ、コノ空港ニイル地球人ノ逃ゲ場ハ無イ、セメテ最後ニ、イイ夢ヲ見サセテヤレ、オ前ノ美シイ体ヲ、巨人ノぼでぃヲ、ジックリト見セツケテヤルノダ。サスレバ連中モ、キット喜ブニ違イナイ」
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