《 きつねの兄弟物語U 》 決戦! 猫 VS きつね

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*兄きつねの狩りは続く。

 「う〜、森があまりに殺伐としてるので、こんな場所まで来てしまった。
 なんで、あんなクマや、変な鳥がうろうろしてるんだよ。
 クマの野郎も、狐なんか襲わなくてもいいだろ。 他に餌はないのかよ。

 ここは・・・人間の町の近くか。
 前に何かいるぞ、  
あれは・・・猫だな」



(兄きつね)
 「やれやれ、あまり美味しそうではないな。でも他に餌がない。
弟もお腹を空かせている。 今日の晩ご飯は、猫で我慢するか。

 猫よ、考えてみればお前も不憫よな。本来は我らと同じ野獣なのに、
人間のペットになったばかりに、その獣性を失い、ここで俺に狩られるとは・・・。

 許せ猫よ、お前には何の恨みもないが、我らきつね兄弟は生きていかねばならない。

 強いものだけが生き残る、それが大自然の掟。

 悲しいが、それは真実なのだ。

 せめて同じ狩人(ハンター)としての情け、苦しまないように一瞬で始末してやろう。

 我が牙の餌食となれ!!」


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 兄きつねは猫に飛びかかりました。

しかし、運の悪いことに、猫はすごく強かった
のです。



(猫) 「なんにゃ、お前はー、やるんかい、ごらぁうにゃあああああー!!」

(兄きつね) 「うわ、ちょっと、猫さん強い、ギブギブ」




 兄きつねは猫にボコボコにされましたが、何とか生きて弟の所に帰りました。
気落ちする兄を、弟は優しく迎えます。





兄 : 「うぅ、情けないよ、熊はともかく、猫にやられた・・・」

弟 : 「元気だしてよ、兄ちゃん」
兄 : 「・・・すまん、弟よ、今日も獲物はとれなかった」

弟 : 「気にしないで、ボクは兄ちゃんが無事に帰ってきてくれただけで嬉しいよ」
兄 : 「優しいコトを言ってくれるなぁ、お前は、やっぱり俺の弟だ」




弟 : 「さぁ、それじゃ、お腹空いたから、コレを食べようね、
ガブッ

兄 : 「うぎゃー、だから、俺の前足を喰うなぁーー!!」




 幼いながらも助けあって、精一杯生きる兄弟きつね。

 しかし、世間の風は冷たく、今日もご飯は無しでした。




 ↓きつね兄弟

  ∧ ∧  ∧  ∧
 (TДT)  (T Д T)




(終わり)



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