《 防 衛 隊 奮 戦 記 》 その1
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俺は呆然とした。
装甲車を握り締めた裸の巨大な女の子が、俺を見下ろしているのだ。
彼女の巨体は、天空にむかってそびえ立っていた。
目の前の10階建てのビルでさえ、彼女のヒップまでの高さしかない。
砲弾のように突き出した乳房の上に 美しい女の子の顔が笑っているのが見えた。
彼女は、俺の方をじっと見つめている。
俺は腰を抜かして、その場にへたり込んだ。
なんということだ! ついに俺も巨大少女に遭遇してしまったのだ。
防衛隊第3歩兵師団所属の俺は、巨大少女の力をよく知っていた。
過去に巨大な女性に戦いを挑んだ部隊が、どうなったかを・・・。
彼女の手に捕えられた装甲車の運命は、もう一つしかないだろう。
その時、彼女は俺の方に身体を向けると、足を大きく踏み出した。
彼女の巨大な足が俺の目の前に降ろされる。
衝撃波が走る。
へたり込んでいた俺は、地面から80cmくらい宙に飛ばされた。
周囲のビルがぎしぎし揺れ、窓ガラスは全て砕け散った。
道路に転がった俺は、地面にめり込んでいく巨大な裸足をじっと見つめた。
彼女がもう一歩足を前に踏み出せば、俺は間違いなく虫のように潰されるだろう。
いやだ、助けてくれ! まいった、降参だ。 抵抗しない。
お願いだから俺を踏み潰さないでくれ!
俺は心の中で叫んだ。
もちろん、彼女は俺を見逃してくれるほど、親切ではなかった。
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