《 ユイとリエさん 》 第2話 |
リエは、「どうかしたの?」と、ケータイで電話を始めながら、彼らを挟む様に、ユイと向かい合わせになります。 |
彼らの両側、離れた場所から、空に駆け上がって行く巨大な塔の様な彼女の脚があり、さらに黒い布地に覆われたその交わり部分が、彼らの小ささをあざ笑うかの様に存在し、そして、さらなる遥かな上空には、彼女の豊かな胸と、まるで虫を見下ろしている様な彼女の顔が覗いていました。 |
人々の間に動揺が奔ります。 |
集団になっていた人々は、辺りに弾かれたように広がり、そこに転がっていましたが、運よく、直接にヒールで踏み潰された者はいませんでした。
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