《 ユイとリエさん 》 第3話
文 だんごろう
イメージ画像 June Jukes
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リエは、ユイのミュールを見つめます。たった今、そのミュールのヒールが小さな人々の間に振り下ろされていました。結果的には、運よく、その下で潰された人はいなかったのですが、それは、あくまで運の世界だったと思えていました。
確かに、細いヒール部分ならば彼ら全員を一度に踏みつけることはないでしょうが、少しぐらいなら踏み潰しても構わないという、その時のユイの気持ちを感じたのです。
そして、リエも、ユイに引きずられる様に、罪のない人々を使って、楽しもうとしている自分の気持ちを感じ始めていました。
リエは、足元で、まだ両手を挙げ続けている人々に、優しげな声をかけます。
「もう、手を降ろして良いわよ。ねぇ、あなた達、宇宙法ってあるのよ。・・・・でも、そうよね。この星の人は知らないものね。それはね、宇宙全体で決められている法律・・・」
彼らは、その声に誘われるままに、声の主を見上げます。瞳に金色の光沢がある顔が、遥か上空に見えました。その顔は、その巨大さに不釣合いなぐらい、とても可愛らしい顔立ちをしていました。
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